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自民党総裁選に第5の男“オタク対決”

 自民党総裁選(10日告示、22日投開票)に「第5の男」が登場した。石破茂前防衛相(51)が5日、「損得抜きで全力を尽くす」と出馬表明した。石破氏といえば、軍事からアイドルまで幅広い知識を持ち、最有力候補・麻生太郎幹事長(67)との“オタク対決”が注目されそうだ。一定数の推薦人集めが必要となった1971年(昭46)以降は最多でも4人で、5人で争うのは38年ぶり。さらに「第6の候補」として、山本一太参院議員(50)棚橋泰文元科学技術担当相(45)も意欲をみせている。

 理路整然とした語り口で知られる石破氏が、情に訴えるような口調になった。「できれば勝ち馬に乗りたいという思いがないわけではない。でも勝ち馬に乗ったり、主義主張が違っても『選挙の顔』はこの人だ、という気持ちでやってきたことはない。損得抜きでやろうではないか、という人がいるなら逃げないつもりだった」。5日夕、党本部で急きょ開いた会見。石破氏は出馬に至るまでの心境をこう説明した。

 所属する津島派は自主投票を決定。当初5日中に推薦人20人の確保は難しいとみられたが、派閥横断的に集まり、同日昼には出馬の意志を固めた。石破氏の総裁選出馬は初めてだが「総裁選で名前を売りたいということではない。私の思いを広く、真剣に国民に訴えたい」と述べ、得意の論戦で他の候補と渡り合うことに強い意欲を示した。

 石破氏といえばオタク。防衛相時代にUFOや学生時代に大ファンだったキャンディーズについて、記者会見でまじめに持論を展開した。漫画好きの麻生氏とともに、政界では1、2を争う。その麻生氏と、総裁選で議論を戦わせるスタートラインに立った。「自民党の同志であり、基本的考えは同じ」という麻生氏は、ポスト福田の最有力候補。得意の安全保障問題だけでなく、秋葉原ネタでも論戦になる可能性がある。自分でパソコンを組み立ててしまう与謝野馨経済財政担当相(70)も加えると“政界アキバ系”の3人がそろい踏みする。

 総裁選では石破、麻生両氏が正式に出馬を表明、与謝野氏は8日に表明予定で、小池百合子元防衛相(56)、石原伸晃元政調会長も立候補の方向。5人による混戦の構図が見えてきた。派閥の締めつけが効かず、若手も参入できるようになったハードルの低さが要因だが、過去の総裁選と比べ“キャラ立ち”系が多いのも特徴。政策だけでなく、次の衆院選を戦う「選挙の顔」としての資質が問われる戦いになる。

 [2008年9月6日9時29分 紙面から]


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