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麻生首相迷走、役員人事も潰されちゃった

 「麻生迷走劇場」が止まらない。麻生太郎首相(68)は1日、かねて意欲を示していた党役員人事を見送り、兼務解消目的で閣僚の補充人事だけ行った。役員人事に、党内からすさまじい反発に遭い、結局「プチ人事」にとどまり、指導力のなさが露呈。今後「麻生おろし」が強まるのは確実で、唯一残された解散権行使に踏み切れるのかどうか。東国原英夫宮崎県知事(51)の入閣も消滅、次期衆院選での擁立も難航中との見方もある。誤算、誤算の麻生氏は、青息吐息だ。

 党役員と閣僚人事で求心力をアップ、党内政局を封じ込め、衆院選で巻き返す-麻生氏が描いた戦略が1日、つぶれた。党内の態勢強化のために検討した自民党役員人事を、一転見送った。与謝野馨、佐藤勉両氏の兼務解消に伴う閣僚人事だけ行い、経済財政担当相に林芳正前防衛相(48)、国家公安委員長に林幹雄自民党幹事長代理(62)を内定。2日、皇居で認証式が行われる。

 党役員人事がつぶれたのは、身内の猛烈な反発と情報管理の甘さだった。

 麻生氏は当初、党4役のうち地味なイメージがぬぐえない細田博之幹事長、保利耕輔政調会長を交代させ、幹事長には側近の菅義偉選対副委員長の起用を検討した。民主党岡田克也幹事長と対抗できる発信力を備え、反麻生グループとのパイプを持つ菅氏を起用すれば、「麻生おろし」を封じ込められる思惑もあった。しかし、最大派閥町村派を筆頭に、各派閥が反発。側近の大島理森国対委員長まで異論を唱え、一気に「反麻生」包囲網が広がった。

 基盤が弱い麻生内閣は、町村派を敵に回せば立ち行かない。役員人事に理解を示したのは安倍晋三元首相ら少数。6月30日夜、約2時間にわたった森喜朗元首相との会談で説得され、強行突破の選択肢は消えた。

 また、人事情報が次々と外に漏れ、情報だけが独り歩き。麻生氏が明確なビジョンを示さなかったこともあり、「やる」「やらない」の報道が繰り返され、結果的に「ぶれの極地」(関係者)と映った。

 麻生氏は1日、役員人事見送りについて「私の口から党役員人事をするという話は、ただの1度も、ひと言も聞いた人はいないと思う」と強調。東国原氏の入閣も「(検討は)全くない。なかった」と述べた。求心力の源泉といえる人事が不発に終わり、交代予定の役員を閣僚で起用する案もつぶれた。昨年8月の福田改造内閣で入閣したが、福田氏退陣で2カ月で退任した2人の林氏を緊急避難的に起用したが、インパクト不足は否めない。誤算ドミノで、首相の足元はもうバラバラだ。

 「死に体」寸前の麻生氏に残されたのは、解散権の行使だけ。7月12日の東京都議選直後にも踏み切る意向だが、都議選の結果次第では退陣論が現実味を帯びる可能性が強い。「解散を示唆しながらできず、退陣した海部俊樹元首相と同じ道を歩むのでは」と、麻生氏の自力解散を危ぶむ声も強い。早期解散という戦略も、党役員人事と同じ運命をたどる可能性もある。

 [2009年7月2日9時50分 紙面から]


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