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都議選告示も麻生首相は衆院選モード

 早期解散断行か、それとも退陣か。麻生太郎首相(68)の運命を握る東京都議選が3日、告示された。麻生氏は応援で都政にはほとんど触れず、衆院選モードで激しい民主党批判を繰り広げた。結果次第では自力解散できず、衆院選を戦えない可能性もあるため、“前倒し”で衆院選気分を味わいたかったのか。そんな麻生氏を、鳩山由紀夫民主党代表は「東京をどうするという話がない」とチクリ。麻生VS鳩山の激しい大将バトルで、首都決戦の幕が開いた。12日投開票。

 「定額給付金、忘れてもらっちゃ困りますよ。めちゃくちゃ言われたが、やってみたら意外と良かった」。青梅市、文京区の2カ所で演説した麻生氏は、実績PRに余念がなかった。「総裁になって9カ月で何をしたか。ただ1つ、景気対策だ。やっと景気が底を打った。これをいかにのばすかが大事」と、自信たっぷり。党役員人事断念で迷走し、自力解散も危ぶまれる“がけっぷち総理”とは思えない明るさだった。

 明るい口調は、すぐダミ声に変わった。「景気対策は自民党がやって、公明党が乗り、民主党が反対した」と、民主党批判に転じた。「政権交代は手段だ。交代して何をするのか。政権交代が景気後退なら、同じコウタイでも意味が違う」。漢字に弱い麻生氏が「交代」と「後退」を語呂合わせ。鳩山代表の故人献金問題にも触れ「企業献金は悪で、個人献金は善と言ったのはどなたか。個人というのは死んだ故人の献金だった。おっかしいと思いませんか」。6月20日の応援演説で「惜敗を期して」と間違えた同じ候補者の地元で、この日に限って漢字のセンスはさえていた。

 「こんな熱の入った演説はめったにない」と周囲も驚いたが、都議選なのに都政の問題には触れず、麻生内閣の成果強調に敵陣批判と、すべて国政マター。心は“悲願”の衆院選に飛んでいた。「麻生太郎、先頭に立って頑張ります」と意気込み、初日の感想を問われると「反応は良かったなあ」とご満悦だった。

 しかし都議選で負ければ、都議選直後にもくろむ早期解散は消滅、退陣論が浮上する。勝敗ラインについて「自民党が第1党で常にあり続けようと思うのは当然」と語る一方、「地方選挙が国政選挙に与える影響はない」と予防線を張った。党内では「与党で過半数(64議席)を維持できる」(都連関係者)との声もあるが、過半数を確保しても、麻生氏主導で政局を乗り切れる保証はない。麻生氏の明るさは、いつまでもつのか。

 [2009年7月4日9時39分 紙面から]


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