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麻生首相「サミット解散」消滅、伊へ出発

 静岡県知事選の敗北から一夜明けた6日、麻生太郎首相(68)の衆院解散戦略がまた1つ、消えた。先進国首脳会議(8日開幕)出席のため、イタリア・ラクイラに出発したが、総理外遊恒例の同行記者との懇談が中止になった。現地で内政問題や国内政局に触れる場で、そこで「解散宣言」するとの見方もあったが、早期解散先送り論が広がる中、刺激する機会を避けたようだ。サミット中の解散は事実上封印。帰国翌日の12日、運命の東京都議選投開票を迎える。

 首相が外遊中、国内政治について同行記者と懇談する場は「内政懇」と呼ばれ、恒例の行事。政局を占う発言が飛び出すことが多いが、オフレコではなく報じられる。麻生氏自身、今年5月、プラハで「衆院選と都議選どちらを優先するかといえば、衆院選」と選挙日程に触れた。しかし麻生氏は6日、内閣記者会に今回の懇談見送りを伝えた。サミット中に行われないのは異例だという。

 ラクイラでの「内政懇」は注目されていた。東京都議選(12日投開票)直後に衆院解散を行う意向とされる麻生氏が、この場で「やけくそ解散」に踏み切るとの見方があったためだ。

 しかし、与党内では早期解散への反発が根強く、静岡県知事選での敗北もあり、「早期解散の可能性はほぼ消えた」(自民党関係者)という流れ。解散時期について与党側を刺激すれば、帰国後は大逆風だ。そのため、踏み込んだ発言はできるが、言質を取られかねない機会をあえて見送ったとみられている。

 麻生氏は最終日の10日、内外記者会見を開く。国内政局にも触れる予定だが、本筋はサミットの報告。「サミット中の解散宣言」は、事実上封印された。初のサミット参加で、得意の外交で失地回復したい思いもあるのだろうか。

 河村建夫官房長官は6日、「個別会談などがかなりあり日程が厳しい。(開催地が地震被災地の)ラクイラという問題もあるのではないか」と説明した。

 麻生氏はこの日夜、羽田空港発のチャーター機でイタリアへ出発。これに先立ち、全閣僚に都議選の応援に入るよう求めた。帰国翌日は、麻生内閣の命運を決める都議選の投開票日だ。閣僚からも「結果が中央政界に影響を与えないことはあり得ない」(舛添要一厚労相)と、与党で過半数を割れば「麻生おろし」が本格化するとの見方が出ており、麻生氏の今後に対する見方は身内でも厳しい。各種調査でも民主党の優勢が伝えられ、イタリアの地でも、東京に思いをはせることになりそうだ。

 [2009年7月7日8時34分 紙面から]


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