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方針転“菅”昔話封印 地元ネタ熱弁

 菅直人首相(63)は9日、札幌市内で行われた民主党代表選最後の街頭演説で、15分の持ち時間中10分を地元ネタに費やし、初っぱな東京で重点を置いた「手柄話戦略」を封印した。小沢一郎前幹事長(68)より優勢とされる党員・サポーターを意識したのか、ピースサイン連発で存在感をアピール。小沢氏との挙党態勢にも触れて、「手を握って頑張り抜く」と強調した。一方の小沢氏は「私は、やると言ったことは必ず実行する」と断言した。

 菅、小沢両氏が街頭でそろい踏みする最後の機会となった札幌市での演説会。約1万人(主催者発表)の前で、小沢氏からマイクを受けた菅氏がメモを見ながら披露したのは、北海道でロケが行われ、中国で昨年大ヒットした映画のタイトルだった。「『非誠勿擾(フェイチェンウーラォ)』をご存じですか」。中国と北海道とのつながりを紹介しながら、中国からの観光客数が増えている実態に触れた。

 結論は「自然に増えたというより、2つの大きな政策を実施した」という、菅内閣の取り組みのPR。海外航空会社の旅客機の新千歳空港への離着陸増加、中国人観光客のビザ条件緩和の2点を挙げ「これから北海道への観光客が増えるのは間違いない」として、雇用の拡大にもつながると強調。地元の話題で有権者の気持ちをつかもうとした。

 小沢氏がまず話し、菅氏が続くパターンは、東京で行われた街頭演説の初回と同じ。菅氏は東京で冒頭、市川房枝さんに師事して政治家を目指した原点や、厚相として薬害エイズ問題に対応した“手柄”に触れ、「昔話はいいよ」とやじられた。しかしこの日は、15分の時間中、10分が地元ネタ。最初の演説スタイルから方針転換した。

 11日締め切りの党員・サポーター票の投票はほぼ終了しているが、演説を聞いて駆け込み投票するケースも考えられる。ご当地ネタ重視の演説は、党員・サポーターや地方票を意識した可能性もある。

 代表選後の挙党態勢にも触れた。小沢氏が8日、自身が首相になった場合、菅氏を重要閣僚で起用する可能性に踏み込んだことを受けて「(選挙後は)小沢氏と手を握って、政権交代に期待した皆さんに応えるよう頑張る」と強調。ポストには言及しなかったが「手を握る」という表現で、挙党態勢を敷く考えを示し、小沢氏と握手し、ラストの街頭演説を打ち上げた。

 終了後、菅氏は報道陣に「今日は札幌市だったので、特に北海道の農業や観光の話をした」と地元を意識したことを認め、「これからも、私の考え方をしっかり最後まで伝えるよう頑張りたい」。ワイシャツ姿だった東京、大阪とは違ってスーツで登場。秋の気配を漂わせる北の地で、話のネタ同様に、服装も方針転換していた。

 [2010年9月10日8時14分 紙面から]


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