東京都の小池百合子知事は12日、都内で開いた自身の政経塾「希望の塾」にビデオメッセージで参加、自身の側近で、都政改革本部で五輪調査チームを率いる上山信一・都特別顧問との間を「分断」する動きがあるとして、都議会の動きを激しくけん制した。

 上山氏は、東京五輪・パラリンピックに関して3競技会場見直しに携わっているが、都議会のオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会は7日、同氏らの参考人招致を検討することを決めた。

 これらの動きが念頭にあるのか、小池氏は「今、都議会では、私と上山さんの分断をはかるかのような動きがある。上山さんを百条委員会に、引きずり出そうとする動きもあると聞いている」と指摘。「でも、上山さんの明快な論理を相手に、(都議会は)どうするんでしょうかね」と痛烈に皮肉りながら、都議会の追及姿勢に疑問を呈した。

 さらに「膨らんできた各種の予算を決めてきたのは、これまでの都議会そのものだ」とも述べ、予算の膨張に対応してこなかった都議会の対応を、あらためて批判した。

 小池氏は、上山氏について「2020東京大会を必ず成功させ、都民が真に納得する方法を確保するため、会場のあり方を見直し、交渉することに注力いただいている」と紹介。「私は『寝ていないんじゃないの、お肌に悪いのでは』とご心配いただくが、上山さんはまさに不眠不休で努力をいただいている」「山のようなメールを受けるのは、だいたい夜中の3時や4時。早朝から大論文が届いたりもする」と、かばうように語った。