築地市場の豊洲移転問題で、東京都の小池百合子知事は18日、移転の可否を来夏にも判断し、最短で2017年冬~18年春になるとの見通しを示した。具体的な日程の言及は初めて。環境アセスメントをやり直せば、18年冬~19年春になる。今月7日の移転が延期になり、業者には損失が出ている。補償金の支払いを実施する方針を示す一方、どの程度まで補償するかについては言及しなかった。築地市場では移転の賛成派、反対派を問わず小池知事への厳しい意見が飛んだ。

 都水産物卸売業者協会の伊藤裕康会長(82)は18日、小池氏が業者への補償を、市場会計から出すとしたことについて「何を言っているんですか」と激怒した。市場会計は独立会計で、原資の大部分が業者の支払う市場利用料。伊藤氏は「都の判断で勝手に延期したのに、それに伴う損失をなぜ業者が負担しなければいけないのか」とした。補償についても「当然全額が当たり前だ」とした。

 伊藤氏によると、水産卸6業者で11月7日からの1カ月で5億8500万円の損失が出るという。その後1カ月ごとに3億円の損失が積み上がり、最も早い来年冬の移転でも損失額は40億円に上ると試算する。