韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(64)の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告(60)の国政介入疑惑に絡み、青瓦台(大統領府)がED治療薬バイアグラとバイアグラのジェネリック医薬品を税金で大量購入していたことが23日、分かった。大統領府は胎盤やニンニクを成分にした美容用の注射薬を大量購入していたことが分かっている。

 国政介入疑惑が、バイアグラの大量購入疑惑に発展した。最大野党「共に民主党」の金相姫議員が入手した資料によると、大統領府は昨年12月、バイアグラ60錠を37万5000ウォン(約3万3750円)、バイアグラのジェネリック医薬品である韓国ハンミ薬品のパルパル錠304錠を45万6000ウォン(約4万1040円)で購入していた。

 相模ゴムの「ニッポンのセックス」によると、日本人の性交回数は平均月2・1回で、ジェネリック医薬品を合わせバイアグラ364錠は実に173カ月(14年5カ月)分にあたる。

 突如判明したバイアグラ大量購入疑惑に大統領府は23日、説明に追われた。鄭然国報道官は「アフリカ歴訪時に高山病対策として購入した」と釈明した。朴大統領は今年5月25日から12日間、エチオピア、ウガンダ、ケニアのアフリカ3国を訪問。エチオピア首都アディスアベバは標高2400メートル、ウガンダの首都カンパラは同1200メートル、ケニアの首都ナイロビは同1600メートルと高地にある。

 報道官は「高山病予防にはアセタゾラミドがあるが、15年4月に南米4カ国を歴訪した際、アセタゾラミドだけを持っていって苦労した。そのためアフリカにはバイアグラも持っていった」と説明。実際に使用することはなく、そのまま残っているとしている。

 高山病対策のため、バイアグラを購入したという説明に韓国国民の大統領府への不信、疑念はさらに高まっている。ED治療を行っている都内のクリニックでは「バイアグラが高山病に有効というのは研究段階の話で、ファイザー社の添付文書には一切書かれていないイレギュラーな使い方。政府機関がそのため大量購入したというのは、おそらく言い逃れでは」と話し、苦笑する。また、女性のバイアグラ使用については広範な安全性確認がされておらず、朴大統領の使用は懸念されるという。

 大統領府を巡っては胎盤やニンニクを成分とした美容用の注射薬を2000万ウォン(約180万円)分も購入していたことが判明したばかり。報道官は「青瓦台の医薬品購入について刺激的な報道が相次いでいる。自制を求めたい」と火消しに躍起となっている。

 ◆バイアグラ アメリカの製薬会社ファイザーによるED(勃起不全)治療薬。有効成分はシルデナフィル。人間の体内にある勃起を抑制する酵素の働きを妨げることで、勃起を促進する。血流を改善する効果があることから、かつては狭心症の治療薬として用いられた。また適正な方法で使用しないと重大な副作用につながる可能性があるとして、同社ホームページでも使用法や注意事項が細かく明記されている。女性への適応はない。