自衛官募集のビラに「稲田防衛大臣(女性)は少々頼りないですが、頼れるあなたはぜひチャレンジを!」と書いて配布していたことが分かり、「不適切な表現」として回収する騒ぎがあったことが25日、分かった。

 ネットでは「本当の事、書いたのね」「これを不問に付す度量があれば」と共感と同情の声が相次いでいるが、防衛省の武田博史報道官は同日、「女性だから頼りないと捉え、防衛相をこのような形で取り上げたのは極めて遺憾」と表明。防衛省は処分を検討している。報告を受けた稲田朋美防衛相(57)も「引き続き事実関係を確認するように」と指示を出した。

 「自衛官募集 自衛隊では29年4月入隊する方を募集中です。転職を考えてる方も大歓迎!」として、稲田氏の名前を出したビラを作成、配布したのは自衛隊秋田地方協力本部大館出張所で隊員募集を担当する40代の男性隊員。10月に130部作成し、大館市、北秋田市の道の駅、温泉施設など計9カ所に置いた。外部からの指摘で発覚し、同本部は残っていた113部を回収した。同本部の原田一樹本部長は「このような事案が発生したことは遺憾。厳正に対処し、隊員の指導・教育を徹底する」でコメントしたが、抗議の電話、メールはないという。作成した隊員は「女性軽視のつもりは一切なかった。少子化で厳しい募集環境の中、成果を上げようと、対象者の関心を引くため、当時の報道を引用してしまった」と話している。