東京都の小池百合子知事は30日、テレビ朝日系「報道ステーション」に生出演し、2020年東京五輪会場見直し問題で、バレーボールの結論を見送ったことに関し、「誰が勝って、誰が負けたか(が問題)ではない」と強調した。会場見直しをめぐる小池氏の「勝ち負け論」に、反論した格好だ。

 会場見直しをめぐり、29日に4者協議で決まったボート、カヌー・スプリント、水泳の会場には、小池氏が当初推していた案が選ばれなかった。また、バレーボール会場も、従来の有明アリーナ案に比べ、小池氏が推す横浜アリーナ案への支持が拡大していない現実を踏まえ、「3敗を避けたいため、(結論延期で)2敗にとどめたかったのではないか」などの指摘が出ていた。

 小池氏は「コメンテーターの方は『2敗1引き分け』と言っている」と引き合いに出し、「(決まった施設は)都民が使うものだ。有効に使われるかということ(が大事)」と反論。「アスリートファーストのためにいい環境かどうか、総合的な判断が必要だ」と述べた。

 国際オリンピック委員会(IOC)が、アジェンダ2020の中で、既存施設の活用を訴えていることを強調し、「既存施設の活用は、IOCが言っていることだ。横浜の案はすでにある(施設)。既存の施設を使う点では、IOCと一致している」と、反対論が拡大しても、横浜アリーナ案にこだわる理由を、あらためて主張。「IOCにご苦労をかけるのは恐縮だが、大会まで時間がない。できるだけ早く結論を出したい」と理解を求めた。

 29日の4者協議は、小池氏の意向でフルオープンになったが、「間に休憩が入って、こう決まったと言われるより、やりとりが見えてよかった。最初から結論を言おうと思ったので、休憩は取らなくていいとコーツ(IOC)副会長に言った」と述べ、「普段からメールなどで連絡を取り合っている」とも強調した。

 近く、IOC側が横浜アリーナ周辺の視察に行く予定だと明かす一方、「ここがだめ、あそこがだめと言うようにと、言われているのではないか」と、警戒するひと幕もあった。

 コスト削減については「バナナのたたき売りをしているわけではない。(横浜アリーナ案に反対する人は)できない理由ばかり探している。できる理由を探し、削減しながらも、必要な投資はする」と強調。司会者に、横浜が地元の実力者、菅義偉官房長官との面会を問われると、「どの段階かでは、お会いしたい」と意欲をみせた。

 4者協議でも激しいバトルとなった大会組織委員会の森喜朗会長との不仲については、「私は都民の立場で申しているだけです。もちろん、オールジャパンで取り組む」と、かわした。