移転先送りになっている東京・豊洲市場で11月30日、報道機関向けの見学会が行われた。主要施設完成後は初披露。管理施設棟、青果棟、水産卸売場棟、水産仲卸売場棟が公開され、温度管理や業者の動線確保など高い機能性が説明された。冷蔵庫などの備品が並び、十分な見学スペースも確保。移転準備は整っている。

 豊洲市場では地下水の安全性を確かめるモニタリング調査が続き、この日は青果棟にあるモニタリング井戸を公開。直径5センチの管が地中10~20メートルまで伸び、地下水の水質を調査できる。揚水(ようすい)井戸も公開された。地下水がたまると地下の排水処理施設に送られ、有害物質の有無を確認。浄水を下水道に流すシステムも説明された。

 今後の見学会の開催について、都の職員は「事業者向けは終えている。買い出し人や産地の方向けの時期は未定」と話した。屋上緑化広場や周辺の公園も完成しているが、一般公開は当分先になりそうだ。