2020年東京五輪・パラリンピックのバレーボール会場候補地である有明アリーナの建設や運営に、民間資金を活用する計画を整備主体の東京都が検討を始めたことが11月30日、分かった。大会組織委員会の武藤敏郎事務総長が、リオ五輪引き継ぎ会議閉幕後の会見などで明かした。

 武藤氏は「民間の資金を活用したり、運営を民間にしたりと有明アリーナに関しても一層の予算削減へ工夫、検討されているという」と明かした。関係者によると、日本トップリーグ連携機構の川淵三郎会長が中心となり、民間資金を集めている。目指しているのは建設費の全額だが、一部でも集めて東京都と折半する方法も模索している。

 29日の国際オリンピック委員会(IOC)、組織委、都、政府の4者トップ級会合でIOCのジョン・コーツ副会長は有明のコスト削減について「民間資金が導入可能か検討してほしい。運営権を売却することも収入になる」と要望した。

 民間資金で大型施設を建設した例に、J1のG大阪が本拠地とする市立吹田スタジアムがある。チームが主体となり募金団体を設立。寄付金と助成金などで140億円を超える資金を集めて建設し、吹田市に寄付した。それをG大阪の運営会社が指定管理者として運営管理を行っている。

 バレーボール会場は新設の有明か、既存の横浜アリーナの2案で検討されてきた。29日の4者トップ級会合で、東京都の小池百合子知事が結論の先延ばしを求め、クリスマスを期限とした。横浜案は、警備や運営に必要な周辺用地を確保した上で、詳細な大会運営計画を作成しなければならず、極めて困難な状況。そこまでに民間資金を活用する有明案をまとめ、結論づける可能性が出てきた。