２０１６年の世相を１字で表す「今年の漢字」が「金」に決まった。日本漢字能力検定協会が１２日、京都市東山区の清水寺で発表した。森清範貫主（かんす）が「清水の舞台」で、縦１・５メートル、横１・３メートルの越前和紙に特大の筆で揮毫（きごう）した。

　今年の漢字は１１月１日から１２月５日まで、漢字１字と理由を一般募集。前年を約２万４０００票上回る１５万３５６２票が集まり、「金」が６６５５票（４・３３％）を集めて１位となった。

　選考理由について同協会は「リオ五輪に沸き、東京五輪に希望を託した『金』（キン）と、政治と『金』（カネ）問題に揺れた年。スポーツ界に新たな金字塔、マイナス金利初導入、シンガー・ソングライターの金色衣装などにも注目が集まる」とした。

　主なものとしては、リオ五輪での「金」メダルラッシュ、政治資金や豊洲新市場移転、東京五輪経費などの「金」に関する問題、マーリンズ・イチローのメジャー３０００本安打や、女子レスリング伊調馨の五輪４連覇などの「金」字塔、日本銀行によるマイナス「金」利、トランプ米次期大統領の「金」髪、「金」色衣装のピコ太郎のＰＰＡＰが大ヒットなどを挙げた。

　２位は「選」、３位「変」、４位「震」、５位「驚」、６位「米」、７位「輪」、８位「不」、９位「倫」、１０位「乱」だった。