東京都の小池百合子知事が重視する来年夏の東京都議選を前に、自民党が多数派を握る都議会の「パワーバランス」が、大きく変化する可能性が出てきた。

 公明党の東村邦浩幹事長は14日、議院運営委員会理事会で、議員報酬の削減案を巡って自民党と意見が対立したとして、都議会での自民との連立関係を解消すると表明した。「これまでは自公という連立で一貫してやってきたが、信義は完全に崩れたと思っていただいて結構だ。独自の改革を進めたい」と述べた。

 その上で、小池氏が掲げる「東京大改革」について、「大賛成だ。いいものはどんどん進めたい」と述べた。民進党も、蓮舫代表が小池氏との連携に意欲を示しており、今後、都議会の「親小池VS反小池」の色分けが鮮明になり、小池氏が対立を深める自民党の孤立化が進む可能性もある。

 一方、国政の自公連立とはねじれる形となり、衆院選東京選挙区の選挙協力に影響する可能性もある。

 東村氏によると、先月18日に議員報酬(期末手当と合わせて年間約1708万円)の削減を議論する予定が、事前に報酬を2割減の約1366万円とし、月額60万円の政務活動費を50万円に減額するなどの公明党案が報じられ、取りやめに。その後、自民側から公明案の修正か、検討会に公明が参加しないか求められたという。自民は報酬削減に消極的とされる。公明は来年の都議会定例会に独自の条例案を提出する方針だ。

 小池氏は今月10日、「改革を目指す方は既存政党の中にもおり、門戸は開けておきたい」と、幅広い勢力の結集に意欲を示した。この日、公明の姿勢について「『都民ファースト』を貫くのが役割だと考えているならば、いい方向だと思う」と、歓迎の意を示した。