2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(79)は4日、ゴルフ会場である霞ケ関カンツリークラブ(埼玉県川越市)について選手村から遠く、輸送面で問題があるとの見方を示した。年初のあいさつ後、記者団に語った。

 森氏は、都心から霞ケ関まで「行きは1時間半から2時間かかる。帰りは3時間はざら」と説明。五輪レーンを設置した場合でも約1時間30分かかるとし「本当にできるのかな」と懸念した。4日間の日程で選手の疲労度を心配し「強い(上位)選手ほど帰るのが遅くなる。遅ければ選手村に午後10時ごろ。翌朝6時(始動)となれば大変だ」と語った。

 会場へつながる首都高、関越道に五輪レーンを設置できるかも含め「輸送計画の結論を出さないと」と決意を示した。首都高や関越道を経由すると約70キロの距離。当初の招致計画だった江東区若洲や、千葉県にも複数のゴルフ場があることも指摘したが、現時点では国内外の競技団体の承認を得ている霞ケ関への輸送手段の改善が最優先となる。

 日本サッカー協会からは3会場の追加の要請が根強くあることも明かした。同協会は15年にカシマ(茨城)、豊田(愛知)、吹田(大阪)を追加するよう要請している。【三須一紀】