今夏の東京都議選の前哨戦となる千代田区長選(29日告示、2月5日投開票)に向けた動きが加速化してきた。千代田区は、小池百合子都知事が対立する都議会の「ドン」こと、自民党の内田茂都議の地元。区長選は、内田氏と小池氏の「代理戦争」という側面が濃くなってきている。

 9日は、小池氏の支援を受け、5期目を目指して出馬する現職、石川雅己区長(75)が都内で選挙事務所開きを行った。石川氏は、小池氏とツーショットポスターを前に、支援者らに「1人1人の皆さんの思いをしっかり受け止めて頑張りたい」とあいさつした。

 小池氏はこれまで、待機児童ゼロなどの石川氏の実績を評価した上で、「実行力に期待している」とエールを送っている。必要に応じて選挙応援に入る意向も示しており、決起集会にも駆けつける予定だという。

 一方、内田氏ら自民党サイドは、国会議員時代に千代田区が選挙区だった与謝野馨元財務相のおい、与謝野信氏(41)を擁立する方針で、近く正式に決定する。

 区長選の勝敗は、今も都議選の第1次、第2次公認候補として発表されていない内田氏の今後の動向だけでなく、小池氏と都議会自民党の対立構図にも、少なからず影響を与えるとみられる。