東京電力福島第1原発事故によって福島県から新潟県の下越地方に避難した中学1年の女子生徒が、複数の生徒から「菌」扱いされるいじめを受けていたことが20日、新潟県教育委員会への取材で分かった。

 県教委によると、いじめは入学後に始まり、複数の生徒が女子生徒の名前に「菌」を付けて呼んでいた。関与した生徒への県教委の聞き取りによると、「菌」を次々に回す鬼ごっこのような嫌がらせが行われていたという。保護者からの訴えで12月中旬に学校が事態を把握。以後、女子生徒は学校を休みがちになり、1月は登校していない。

 女子生徒は昨夏、作文でいじめ被害を訴えたが、学校側は把握してなかった。県教委は学校の対応も調査する。女子生徒が小学校時代にもいじめを受け、県教委に報告が上がっていた。

 昨年11月に横浜市で、先月には新潟市で避難中の生徒、児童へのいじめが相次いで発覚。県教委は県内の小中学校で調査や指導を行ったが、女子生徒の事案は把握できていなかった。