安倍晋三首相は30日の参院予算委員会で、トランプ米大統領が、難民受け入れの凍結、イスラム圏7カ国から入国禁止とする大統領令を出したことへの論評を問われて、明言を避けた。

 民進党の蓮舫代表の質問に、「米国の大統領令、米政府の考えであろうと考える。私がこの場でコメントする立場にはないが、難民への対応は、国際社会が連携して対応すべきだ」と述べるにとどめた。

 首相は、「大統領令を発出しているのは承知しているが、難民が出てくる状況を根絶する中で世界が協力するため、日本はその役割を果たしたい」とも主張。蓮舫氏から「難民だけでなく、(入国禁止は)一国民の話だ」と念押しされて、冒頭の言葉を述べた。

 蓮舫氏は「TPPも永久離脱とするなど、(トランプ政権は)自由貿易ではない、真逆の方向に進んでいる。ワシントンでは、主張すべきは主張し、譲らないようにしてほしい」とも指摘。来月10日に、トランプ大統領と会談する首相に、トランプ氏にきちんと物言うべきだと、くぎを刺した。