日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室での演奏について著作権料を徴収する方針を固めたとされる報道を受け、音楽関係者から困惑や怒りの声があがっている。

 複数メディアが報じた2日、ツイッター上では「JASRAC」「著作権料」などのワードが午前中から午後3時現在までトレンド入りするなど反響を呼んでいる。

 音楽評論家の萩原健太氏は「今さら文句言っても聞く耳持ってるとは思えないけど、JASRACは自らの存在意義を根本から見直したほうがいいよ。既得権益の維持ばっかり考えて、音楽の未来を閉ざしてるとしか思えない。これもひとつの老害でしょ。音楽家めざす子供たちには逆に金出せっての。育てろ」と批判した。

 ロックバンド「くるり」の岸田繁は「著作権に関わらず、~権て難しい。得るものに対し対価を払う心意気があるかどうか、て自分は考えるようにしてる」とした上で、今回のJASRACの方針には「なんだかなー」と釈然としない様子をうかがわせた。

 ベーシストの伊藤健太は「生徒は楽器の演奏技術を体系的に学ぶためにその対価として授業料を支払っているのであって、『聴衆』として楽曲を楽しむために音楽教室に通っている訳ではない。JASRACは著作権保護という本来の目的を完全に見失っている…」と指摘。音楽ジャーナリストの宇野維正氏も「音楽文化を根こそぎ絶滅させる気か」と憂えた。

 ピアニストの坂本真由美は「そのうち4分33秒沈黙したら著作権料徴収されるんじゃないかと。ドキドキ」と、世界的作曲家ジョン・ケージが作曲した無音の楽曲を“演奏”することを例にあげ、皮肉を込めた。