NHKは、昨年2月、女性を乱暴してけがを負わせたとして、強姦(ごうかん)致傷などの疑いでNHK山形放送局記者の弦本康孝容疑者(28)が6日に逮捕されたことを受け、7日、都内で謝罪会見を行った。

 今井純専務理事は「報道に携わる職員がこのような犯罪の容疑で逮捕されたことは誠に遺憾。被害に遭われた方、関係者、そして視聴者の皆様に深く、おわびを申し上げます」と頭を下げた。警察の捜査には全面的に協力するとし、この日、午後には酒田支局が警察の捜索を受けたとした。NHKとしても上司や同僚から聴き取りを開始したと説明。事実を確認し、厳正に対処するとした。

 今井氏は、弦本容疑者の勤務態度について「現時点では、平均的で、特別、様子がおかしかったとは把握していない。犯行当時も変わった様子の報告を受けていない」と説明した。

 会見には広報関係者らも同席。弦本容疑者は、NHK入局後は前科、前歴は無いとし、懲戒処分を受けたことはないと説明した。この日午前、家族が警察に差し入れに行った際、NHKの職員も同行したと紹介したが、詳しい内容は聞いていないとした。一部では弦本容疑者が車を所有し、車内に酒の瓶などがあったと報じられている。「個人での車の所有状況は確認できていない」とした。

 弦本容疑者の逮捕容疑は、昨年2月23日午前5時ごろ、山形県村山地方の20代女性宅に侵入し、性的暴行を加え、2週間のけがを負わせた疑い。山形県警によると、弦本容疑者は「やっていない」と容疑を否認している。県内陸部の村山地方では、今回の事件と近い時期に、何者かが家に侵入して女性が暴行されそうになる被害があり、県警は関連の有無を慎重に捜査している。