橋下徹前大阪市長らが昨年6月、自民党の中山泰秀衆院議員の「覚せい剤発言」によって名誉を傷つけられたとして、損害賠償1000万円を求める訴訟を大阪地裁に起こした争いについて、8日、同地裁で協議が行われた。

 同訴訟をめぐっては昨年12月に前回協議で、中山議員側が橋下氏からツイッターで「侮辱」され、政治的信用が損なわれたとして1000万円の損害賠償などを求めて反訴していたが、この日は、橋下氏側が反訴への答弁書を提出。2件目の訴訟でも対立姿勢を明確にした。

 訴訟の発端は、昨年6月12日だった。自民党大阪府連会長の中山議員が、大阪市との公式会議の席上で「前の市長の秘書だったかと思いますけど、報道で知ったが、覚せい剤で逮捕されたというのは本当ですか」などと発言。これに対し橋下氏らは「事実無根」として提訴し、同7月に第1回口頭弁論が開かれていた。

 訴訟はその後、口頭弁論再開へ向けての準備手続きに入り、非公開で調整が進められており、昨年12月になって、中山議員側が、橋下氏のツイッターを問題視。橋下氏が「中山泰秀アホボンが、また大失態をやらかした」「日本一無能なピーマン政治家」などと投稿したことから、反訴していた。

 この日、橋下氏側は「反訴に対する答弁書は提出いたしました」と言い、本訴に加え、反訴案件についても徹底的に争う姿勢を明確にしたと明かした。