高齢ドライバーによる死亡事故が後を絶たない。3月には75歳以上の運転者が免許を更新する際の認知症対策を強めた改正道交法が施行される。日刊スポーツは、事故が招く悲劇を直視し、運転が困難になった高齢者が免許を返納できる社会のあり方を考える。

 警察庁の交通事故データから、事故防止に向けた分析研究を行っている交通事故総合分析センターによると、運転操作の原因となる事故は、24歳以下の経験の浅い運転者と75歳以上の高齢運転者が起こしやすい傾向にある。中でも、高齢者が特に他の年代に比べて起こしやすいのは「ペダル踏み間違え事故」だ。

 15年に発生した全交通事故のうち、踏み間違え事故が占める割合を、年代別に調べると全年齢平均が1・2%のところ、75歳以上の高齢者は3・2%と、非常に割合が高くなっている。ペダル踏み間違え事故のうち、死亡事故の運転者の年代も、約4割が75歳以上の高齢運転者が占めている。