東京都小金井市で昨年5月、歌手活動をしていた冨田真由さん(21)が刺され、一時重体となった事件で、殺人未遂などの罪に問われた無職岩埼友宏被告(28)の裁判員裁判初公判が20日、東京地裁立川支部(阿部浩巳裁判長)で開かれた。検察側が冨田さんの供述調書を読み上げ「犯人は死んでしまってほしい」と極刑を望んでいることを強調した。同被告は罪状認否で起訴内容を認めた。

 ◆小金井女子大生刺傷事件 16年5月21日、アイドル活動をしていた女子大生冨田真由さんがライブ出演のため、東京・小金井のライブハウスに向かったところ、会場前でファンの岩埼友宏被告にナイフで刺され、重傷を負った。被告からツイッターに執拗な書き込みをされるなどストーカー行為をされていた冨田さんは5月9日、武蔵野署に相談に訪れ「殺されるかもしれない」と伝えていたが、同署は「切迫性がない」として本庁の専門部署に報告していなかった。冨田さんは事件前日の20日にも、ライブ出演することを伝えたが、同署は小金井署に警戒を要請していなかった。警視庁は12月、検証結果を公表し、冨田さんに謝罪した。