東京都小金井市で昨年5月、歌手活動をしていた冨田真由さん(21)が刺され一時重体になった事件で、殺人未遂などに問われた無職岩埼友宏被告(28)の裁判員裁判は22日、東京地裁立川支部(阿部浩巳裁判長)で被告人質問を行った。

 検察側の質問に対して、殺意を否定。冨田さんの首や胸、背中など34カ所を刺したことについて「殺すつもりだったのか」と聞かれ「殺すつもりはなかった」と明言した。凶器のナイフはお守りとして持っていたという。20日の初公判で「殺意を持って複数回刺した」との起訴事実を認めたことには「黙秘します」とコメントを避けた。

 弁護側の質問で、「(冨田さんに)申し訳ない」と謝罪。冨田さんが「出所後はまた殺しに来るかもしれない」と恐れていることには「私から会いに行くことは絶対にない」と断言した。被告の父親が証人として出廷。出所後の息子を親族と一緒に監督する意向を明かした。