首相はこの日も、土地取引に関する関与を強く否定。民進党からも、夫妻の関与を指摘する質問はなかったが、首相は「怪しい」「疑惑」のフレーズが出ただけで、即座に反論。夫人の名誉校長辞任や、学園のホームページから削除されたことに関し「これ以上つつかれたくないからではないか」「怪しげと言わざるを得ない」と指摘されると、それまで冷静だった答弁のトーンを一変させた。

 「怪しいと言われたが、削除したのは私でも妻でもない。そういうレッテル貼りはやめましょうよ」「印象操作を一生懸命、一生懸命やっているが、何もない。それくらい反論させてくださいよ」と、声を荒らげた。「疑惑、疑惑というなら、職をかけて言ってほしい。違うと明確にしてほしい」とも求めた。

 自身や夫人と、学園が結びつけられることを嫌う首相だが、学園による「安倍晋三小学校」名目で寄付金集めなど、連日の野党の追及もあり、世論の関心も集まっている。ただ首相は、第三者による調査委員会の設置要求には、会計検査院の調査を持ち出し、法的措置も、時間を取られることを理由に否定的だった。

 この日、17年度予算案が衆院を通過。野党追及の舞台は、きょう28日から参院に移る。【中山知子】

 ◆森友学園問題 学校法人「森友学園」が昨年6月に小学校建設用地として大阪府豊中市の国有地8770平方メートルを評価額の14%で取得。国が売却額を非開示とするなど売買交渉の経緯が不透明で小学校の名誉校長を安倍晋三首相の昭恵夫人が務めていたため、国会で野党が追及を始めた。昭恵夫人は名誉校長を辞任した。