国有地取得をめぐる疑惑が指摘されている大阪市の学校法人「森友学園」の系列幼稚園が、運動会で「安倍首相頑張れ」「安保法制国会通過良かったです」と、園児に“宣誓”させていたことが、27日の衆院予算委員会で指摘された。安倍晋三首相は「適切ではない」と述べた。一方、首相は質問で「怪しい」「疑惑」などのフレーズが出ると、「レッテル貼り」などと激怒。学園側と結びつけられるような動きに激しく反発しているが、今後も追及は続きそうだ。

 民進党は、学園が運営する塚本幼稚園の運動会での「選手宣誓」の内容に触れ、首相に見解を求めた。

 年端もいかない園児たちが、「大人の人は、日本が他の国に負けぬよう尖閣諸島や竹島を守り、日本を悪者として扱う中国、韓国は心を改めて歴史でうそを教えないようお願いします」「安倍首相頑張れ」「安保法制国会通過、良かったです」などと声を張り上げていたことを取り上げた。

 福島伸享議員は「どこかの独裁国家の学校のような映像」と指摘。この行為が「学校は特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」と規定した教育基本法に抵触するのではないかと迫った。松野博一文科相は「具体的な政治活動に該当するかは大阪府が判断する」と判断を避けた。首相も同様の判断を示し「幼稚園で言ってもらいたいとは、さらさら考えない。適切ではない」と不快感を示した。