豊洲市場の移転問題を検証する東京都議会の調査特別委員会(百条委員会)で20日、移転を決めた石原慎太郎元東京都知事(84)の証人喚問が行われた。

 小池百合子都知事(64)は、石原氏の証人喚問後、都庁内で取材に応じ「前回の記者会見から、(新事実が)あまり出ていなかったのではないか」と内容の乏しさを指摘した。石原氏が、豊洲への移転延期を批判したことについては、石原都政で決められた安全基準をクリアするために検証を続けたと強調。「石原さんの基準をどうクリアしていくかという意味で検証も行ってきた。私がハードルを上げたわけではない」と石原氏の主張を退けた。

 さらに「検証する中で、地下の空洞、盛り土がされていないなど新たな問題が出てきた」と指摘。豊洲市場の地下水からベンゼンが環境基準の100倍検出されたことを含め、豊洲は現状、石原都政が決めた安全基準をクリアできていないと示唆した。その上で「安心の基準を数値で表すのは難しい。都民の方も総合的に判断するからこそ材料を提供しなければならない」と述べた。