東京都の小池百合子知事は22日、都内で開かれた「篠原文也の直撃!ニッポン塾」で講演し、豊洲市場の移転問題に関し、豊洲か築地以外の第3の道は考えていないとした都議会での発言に関し、「現時点での二者択一だ」と述べた。

 「この30年で、物流も大革命で変わった。安全、安心と同時に、これからの経営も考えなければならない」と強調した。

 移転時期について、7月の都議選前か後か、司会者に激しく突っ込まれたが、「今後、環境アセスの審議がある。どういう政策でも、手順をふむのは決まっている。その流れのままだ」とかわし、「都議選前の判断もあるのか」と質問されると、「さあ、どうでしょう。私は順番の手続きを踏んでいるだけ」と、言質を取らせなかった。

 20日に、都議会の百条委員会で証人喚問された石原慎太郎元都知事については、「(豊洲市場の土壌汚染対策について)安心のために厳しい基準をもうけたとお話になり、(安全基準の)ハードルが高すぎたとおっしゃった。だけど、もういいんだよというような話をしたときは、ビックリした」と言及。「石原さんがハードルを高く上げたことを、私はむしろ進めてきただけだ」と述べた。

 その上で、当初の移転が昨年11月7日に設定されていたことに関し、「移転しても、どのみちこの(高濃度の汚染物質の)数字は出てきた。移転はしたが問題点が出てきた。築地がもし解体されてしまった場合、業者は困ったと思う。そう考えると、いったん立ち止まって、クリアにしているのはよかった。むしろ(移転していた場合の)その補償の方が高い」と述べ、自身の判断の正しさを強調した