「自民党都連には、イエスマンもノーマンもいない」。東京都の小池百合子知事は22日、都内で講演し、東京都議選(6月23日告示、7月2日投開票)での全面対決を念頭に「小池知事のイエスマンばかり集めたら、都政が失墜する」と指摘した自民党の下村博文都連会長を痛烈に皮肉った。「みんな、声を上げない。声を上げたら次から会議に来るなというのが都連。そこを言わなくちゃ」と自身の体験を踏まえて指摘し、都連の「もの言えぬ」体質をチクリ。「私はイエスマンをつくりたいのではない。私が目指す都政の方向性、プラスのスパイラルに共鳴できるかどうかだ」とも主張した。

 下村氏の「イエスマン」発言が出た21日の会合には、二階俊博幹事長も出席。都連と党本部が結束し「小池旋風」が予想される都議選に臨む体制を確認した。

 小池氏は、都連と対立しても安倍晋三首相や自民党本部とのパイプは維持している。この日も「今も協力関係にある」とした上で、「選挙は別?」と問われると「それは別でしょう」と述べ、都議選では自民党との全面対決も辞さない構え。自身の自民党籍の取り扱いに、党本部が断を下せない現状に関し「あちらで判断すること。反党行為と思えば首を切るのではないか」とけん制気味に答えた。

 一方、豊洲市場の移転に関する判断時期を問われ、「今後、環境アセスメントの審議がある。どういう政策でも、手順を踏むのは決まっている。その流れのままだ」とかわし、「都議選前の判断もあるのか」と質問されると、「さあ、どうでしょう。私は順番の手続きを踏んでいるだけ」と、言質を取らせなかった。