米国ピッツバーグ大学の論文によると、ソーシャルメディアに費やした時間が最も長いグループは、最も短いグループに比べ、2・7倍も鬱(うつ)病のリスクが高いという。

・多種類のSNSも要注意

 さらに大切なこともわかった。時間よりもたくさんの種類にアクセスすることが、より鬱病リスクを高めることがわかった。フェイスブック、ユーチューブ、インスタグラム等たくさんの種類にアクセスすることが、より鬱病リスクを高めるという。ソーシャルメディアを7種類以上使っている人は、2種類以下しか使っていない人に比べて、3・1倍も鬱病リスクが高いというのだ。スポーツファンは新聞を紙で読んでいる方がよいのだ。オールドスタイルの紙の本の方が健康リスクが少ない。

・鬱病のリスクが高い国

 日本には100万人の鬱病患者がいると言われている。鬱病でなくても、鬱傾向にある人は7人に1人いるのではないかという専門家もいる。職場に1人くらいは、物事をネガティブに考える人がいるという時代だ。これではチームが一丸とはなかなかならない。生産性も上がらないのだ。

 2030年までには、ソーシャルメディアの使い過ぎが、先進国の精神疾患の第1位になると予想されている。どうしたらいいのだろう。

・ユーモアを忘れるな

 日刊スポーツを紙媒体で読み、野球やサッカーに夢中になったり、たまには競輪をしてみたり、芸能情報に詳しい人になったりするのは、鬱対策になるように思う。

 一番は朝太陽に1回当たること。ダジャレでもいい。ユーモアを忘れないようにしよう。とにかく笑うことが大事。ソーシャルメディアに心まで支配されないように注意しよう。

 ◆鎌田實(かまた・みのる)1948年(昭23)6月28日生まれ、東京都出身。東京医科歯科大医学部卒。長野・諏訪中央病院院長で「健康づくり運動」を実践。脳卒中死亡率の高かった長野県の長寿日本一に貢献。04年からイラク支援を始め、小児病院へ薬を届けたり北部の難民キャンプ診察も続けてきた。文化放送「日曜日はがんばらない」(毎週日曜午前10時)出演。