泰典氏の国会での証言内容で、「安倍昭恵夫人が講演のために塚本幼稚園を訪れ、100万円の寄付を渡した」とされることについて質問が及んだ。代理人弁護士が「(コメントは)控えさせていただきたい」と話すと、町浪氏は大きくうなずいた。

 学園は大阪府豊中市の旧国有地で目指していた小学校の開設を3月に断念し、多額の負債を抱えていた。信用調査会社によると、負債総額は推定約20億円。

 森友学園の民事再生は「管理型」で、裁判所から選任された利害関係のない弁護士が「管財人」となり、財産の管理や処分を行う。管財人の指導、監督の下で、町浪氏は、幼稚園運営を継続する見通し。計画案の作成見通しが立たない場合などは、再生開始決定に至らず、適用申請が棄却されることもある。追い込まれた籠池ファミリー。再生にはイバラの道が続く。【松浦隆司】

 ◆森友学園 1950年代に籠池泰典氏の妻諄子氏の父が幼稚園を開設したのが始まりとされ、法人設立は71年。籠池氏は元奈良県職員で、95年に義父が死去した後に理事長に就いた。今年2月以降、土地取得や小学校の設置認可申請を巡る数々の疑惑を野党が国会で追及。籠池氏は府への認可申請を取り下げ、理事長を退任した。小学校の名誉校長は一時、安倍昭恵首相夫人が務めていた。