今年7月の東京都議選に向けて、自民党東京都連は24日、今期限りでの都議引退を表明した「都議会のドン」こと内田茂都議(78)の地元、千代田区(定数1)に、金融関連の会社員、中村彩氏(27)を、後継者として擁立することを発表した。

 中村氏は以前、小池百合子都知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」からの都議選出馬も、一部で取りざたされたことがある。

 中村氏は内田氏より51歳も若く、一気に世代交代がはかられた形。小池氏とのバトルを通じて悪化した「ドン」のイメージ刷新を狙ったとみられる。党本部で取材に応じた下村博文会長は、中村氏について「十分勝てる候補者だ」と自信を示した。

 千代田区は長年、内田氏が地元にしてきた。09年の都議選で落選したが、区議時代を合わせると40年以上、内田氏が君臨してきた。

 しかし、小池都政スタート後、状況は一変。今年2月の千代田区長選では、内田氏系の候補が、小池氏とタッグを組んだ現職に惨敗し、内田氏は都議引退を表明した。

 千代田区は、小池氏と内田氏による事実上の「代理戦争」となるため、激戦は必至。「都民ー」は、元警視総監を父に持つ、樋口高顕氏を公認している。

 自民はこの日までに、千代田区同様に候補者が不在だった小金井市(定数1)の候補者も決定。都議選の全42選挙区に擁立する計60人の擁立作業を、すべて終了した。

 一方、「都民ー」はこれまでに27選挙区で、公認候補30人を擁立し、今後さらに上積みする方針だ。