豊洲市場への移転問題を検証する東京都の市場問題プロジェクトチーム(PT)が26日、築地市場を移転せず再整備する案と、豊洲に移転する案の両論を盛り込んだ報告書の素案を公表した。委員の一部は築地再整備案について約734億円とした工費や工法などについて疑問を呈した。

 この日は、素案に盛り込まれている卸市場のあり方、豊洲市場移転案、築地市場改修案の3件について意見交換が行われ、築地再整備案が話題の中心となった。築地市場の現状をPTが把握しきれていないため具体的な議論には至らなかった。

 素案では、築地再整備の工期を7年と想定。営業しながら工事を進めていくとしている。一方で、豊洲は建物を解体、約3千億~約4千億円で売却できると見込んでいる。豊洲に移転する場合、年間約100億円の赤字が出るとしている。PTの小島敏郎座長(弁護士)は、5月にも報告書をまとめ、その後、小池百合子都知事が判断するとしているが、「100%完璧な案はない。どちらの案も課題があり、整理して解決する方法を考えないといけない」と述べた。

 また、小島座長は都議会から5月9日に参考人招致を求められているが、報告書ができあがるまで応じない意向を示した。