コラムニストの勝谷誠彦氏(56)が27日、兵庫県庁で兵庫県知事選(6月15日告示、7月2日投開票)への出馬を正式に表明した。無所属での立候補となる見通し。

 同知事選には、5選を目指す現職の井戸敏三氏(71)ら3人が出馬を表明している。

 同県尼崎市出身の勝谷氏は「現職の方(井戸氏)も一生懸命やられましたが、長い。そろそろ新しい切り口や視点からやってみる人間が出てきてもいいのかな」と出馬への思いを語った。

 井戸氏の県政について実績は認めつつも「現職の顔が見えない。これは兵庫県のイメージにも重なります。橋下さん(前大阪市長)みたいに顔が見えすぎた人もいますが、なにかええこと言うやん、おもろいこと言うやん、そういうことが比較的ないですね。自治体の長は堅実なほうがいいのかもしれないけど」と物足りなさを指摘した。

 自民、民進、公明党は井戸氏を推薦する。「僕は兵庫県民党。県のみなさんのために働く。1つの組織のために働くわけではない」と語り、選挙期間中は県内をくまなく回り、有権者の声を聞くことを誓った。

 約1カ月前には交流のある安倍首相に出馬の意向を伝えたという。首相官邸で約30分。そのときの様子を勝谷氏が安倍首相のモノマネで再現した。

 「自民党さんは井戸さんですよね」

 「応援はできませんが、がんばってください」

 安倍首相の返答を声のトーンを変え、少し早口で話すと、後援会幹部から「モノマネしなくてもいいですよ」とツッコミが入った。

 「明るく楽しい兵庫県」をキャッチコピーに掲げ、会見では観光振興、教育への重点投資など政策を語った勝谷氏。ひさしぶりというスーツ姿に「本当はこんな格好はしたくないんですよ」。最後に「みなさんの中に入っていける知事になりたいですね。きょうもこれから尼崎の立ち飲み屋に行きます」と笑顔で話すと、後援会幹部から「そんなことまで話さなくても…」。いつもの毒舌は封印気味だったが、ざっくばらんな勝谷節は健在だった。