豊洲市場移転問題についての議論を集約する東京都の「市場のあり方戦略本部」が27日、小池百合子知事出席のもと都庁で開かれ、築地市場を再整備する場合、市場会計が19年度にも破綻する恐れがあるとの見解を公表した。

 市場問題プロジェクトチーム(PT)の小島敏郎座長が前日26日に示した素案では、豊洲用地の最大売却額を4370億円と仮定。しかし、同本部は最低額を2360億円と推計した。築地再整備の道を選べば、豊洲市場整備のために発行していた企業債や国庫補助金の返還で約3750億円が必要。仮に豊洲売却の最低額となった場合、資金が足りずに市場会計が破綻する可能性があると指摘した。

 また、築地改修の問題点を「土壌汚染対策」「環境アセスメント手続き」「環状2号線計画との整合性」など9つ挙げ、批判した。

 市場PTの素案について中央卸売市場側の反論が目立った場面で小池知事は特段、意見を述べなかった。今後の同本部の進め方について、聞き取り調査を進める方針を明かし「課題を1つずつ整理することが、都民の信頼を得る近道だ」と都民ファーストを強調した。