東京都の小池百合子知事は28日の会見で、ここ数年、秋のハロウィーンの時期に披露するコスプレについて、「今年はメーテルにしようかなと考えているところ」と述べ、世代を超えて愛される人気漫画「銀河鉄道999」に登場するヒロインの名前を口にした。

 小池氏は会見に先立ち、首都圏の交通機関におけるラッシュ時間帯の混雑緩和と、満員電車の解消に向けた新たな取り組み「時差Biz(ビス)」を始めることを都内で発表。今後、参加企業を募った上で、7月11~25日に時差出勤に集中的に取り組む意向で、「銀河鉄道999」の作者でもある松本零士さんの名前を冠した「松本零士賞」という表彰制度も設ける考えも示した。

 会見で、この賞の創設理由を問われた小池氏は「鉄道というと、999を想起する方が多いと思うし、そういう方が(企業の)経営幹部にもおられるのではないか」と指摘。松本氏について「練馬区にお住まいで、知人というか存じ上げている。すぐに松本さんが浮かんだ」と述べた。

 通勤時間帯のラッシュは、東京の長年の課題でもあるが、「鉄道がここまで発達している都市は東京のほかにないし。複雑に絡んでいるが、安全、正確に運行されている」と主張。その上で「乗客の方のより快適な移動を確保するためには、鉄道会社も働き方を決める企業も、それを選択する個人1人1人も、うまく3者が合えば。まず意識を変えてもらうためには、松本さんのように分かりやすい存在があると、アピールできると考えている」と、表彰制度の意義を述べた。

 小池氏は昨年の都知事選の公約に、満員電車の解消を掲げており、働き方改革の観点からも重視している。環境相時代に手がけた夏の軽装「クールビズ」にも重なる、ネーミングとなったが、「クールビスのように、『時差ビズ』も定着するように、期待をしている」と述べた。