東京都立川市の路上に立つカーブミラーを割ったとして、警視庁立川署は6日、器物損壊の疑いで、住所不定、無職河野剛容疑者(47)を逮捕した。署によると黙秘しているという。

 立川市や国分寺市、武蔵村山市では2月以降、70枚以上のカーブミラーが何者かに割られる被害が相次いでいる。一撃で割られた被害が多く、警視庁は関連を調べる。

 逮捕容疑は3月23日午前1時10分ごろ、立川市幸町2丁目の丁字路に立つ市所有のカーブミラー(約5万円相当)をバールのようなものでたたき割り、損壊した疑い。

 逮捕容疑となった犯行現場は一軒家が立ち並ぶ静かな住宅街。道路が細く、近くに小学校があるため、300メートルほどの範囲に10以上のカーブミラーが立っており、近くのカーブミラーも割られていた。

 逮捕の決め手となったのは、近くの防犯カメラの映像だ。この映像には、23日午前1時11分、荷物を満載した自転車を押してきたやせ形の男が写っていた。

 映像の中で、自転車を止めた男は、前カゴの上に乗せた毛布のようなもののあたりから、指先からひじほどの長さのバールのようなものを右手で取り出す。そして、おもむろにカーブミラーに歩み寄り、ひざほどの高さの低いブロック塀に上り、ミラーに向け、軽くスナップを効かせるようにバールをたたき付けていた。男が自転車を降りて、再び乗るまで約10秒ほど。極めて短時間に犯行を終え、現場を立ち去っていた。

 周辺住民は「このあたりは住宅街で道は細いのに、通勤時は車の抜け道になっていて交通量が多い。カーブミラーがないと危ない。逮捕されて一安心です」と話した。