まだ婚約の正式発表も行われておらず、質問には「時期が参りましたら、お話をさせていただきたいと思います」の答えを繰り返さなければならなかった。「宮内庁からもかなりきつく言われ、多くの質問に答えられないことを覚悟して臨まれたのでしょう。それでも、記者の目を見て質問を聞き、答え、頭を下げる。誠意が伝わってくる受け答えでした」。

 一般の25歳が、ある日突然、報道陣に取り囲まれ、すさまじいフラッシュを浴びた。「普通なら、表情が硬くなるところですが、堂々と落ち着いて、さわやかな笑顔。すばらしかった」。会見時、スーツの上着のボタンを2つとも留めていた小室さん。「本来は上の1つだけ留めますが、きちんとして会見に臨みたいという緊張感の表れ。これもお人柄でしょう。国際経験も積まれており、皇室の方とのご結婚に向けても、不安な点はないかと思います」。【清水優】

 ◆江上(えがみ)いずみ 日本航空客室乗務員として、各国のVIPへのおもてなしを経験。15年に筑波大客員教授就任。大学や官公庁、民間企業、小中学校で「グローバルマナーとおもてなしの心」をテーマに講演活動を行う。日刊スポーツ東京本社版では20年東京五輪・パラリンピックに向け、国内外から集まる観光客などをお迎えするための連載「お・も・て・な・し講座」を執筆した。