秋篠宮家の長女眞子さま(25)が国際基督教大(ICU)時代の同級生小室圭さん(25)と婚約するとのニュースは、大きな喜びを持って迎えられた。宮内庁関係者が2人のデート先の1つとして挙げた埼玉・長瀞(ながとろ)町の関係者からも「大変光栄」との声が上がった。ロイヤルデートの目撃証言を求め、長瀞へ。遠足やシニア層の日帰り旅行先のイメージが強かったが、実は20~30代の女性客も多く、1日では回りきれないほどの魅力的なスポットにあふれていた。

 宮内庁関係者がデート先の1つとして挙げた長瀞。目撃情報を求め、長瀞町観光協会に飛び込んだ。田島茂行事務局長(43)は「おふたりをお見かけしたという情報はありませんが、このような良いお話の中で長瀞の地名を出していただいたことだけで、大変光栄に思っております」と、恐縮した様子で話した。

 遠足の子どもたちと日帰り旅行のシニア層が中心。それが、10年以上前に訪れた長瀞のイメージだったが、若い女性やカップルが増えていることに気付く。11年のミシュランガイド掲載、山ガールブーム、昨年の「古秩父湾堆積層及び海棲ほ乳類化石群」の国の天然記念物指定などが追い風の1つになったとみられる。

 長瀞ラインくだり受付の馬場宮子さん(74)は「すてきなおふたりのニュースでしたので、長瀞に興味を持ってくれる方がもっと増えるかもしれませんね」と笑顔で話してくれた。

 岩畳に出ると、遠足の子どもたちに交ざり、カップルの姿が。女性は「都心から近いのに、川で岩に座って自然を感じたり、花を眺めて散歩したり。2人でゆっくり過ごせるのが長瀞の魅力ですね」と話した。

 1960年製造のレトロなゴンドラで知られる「宝登山ロープウェイ」の山頂駅付近には昨年「宝登山フォーリーフガーデン」がオープン。花畑の周りで4つ葉のクローバーを探し、摘み取った葉でアクセサリーも作れる。宝登山では秩父の山々を覆う神秘的な雲海が現れることがあり、ロープウエーでは早朝の雲海便を今月から始めた。登山に訪れる山ガールも多い。

 若い女性も楽しめるような長瀞の持つ魅力の発信に取り組んできた秩父鉄道観光事業課長中里雄一さん(58)によると、若い女性やカップルは「5年ほど前から増えてきた」という。

 結局、眞子さまと小室さんを見たとの証言は得られなかった。しかし、自然や文化の豊かさだけでなく、訪れる人を迎える長瀞の謙虚で真摯(しんし)なおもてなしの心こそが、「ロイヤルデート」の行き先の1つとして名前が挙がった理由なのかもしれない。【清水優】