安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐり、「総理のご意向」などとする内部文書が表面化した問題で、文部科学省の前川喜平・前事務次官が、25日発売の「週刊文春」など複数のメディアで、文書について「本物」だと指摘した。

 これを受けて、25日の参院文教科学委員会理事会で、民進党が前川氏の国会招致を要求したが、与党は応じなかった。

 同委員会に出席した松野博一文部科学相も、野党に追及されたが、前川氏がすでに辞職していることを理由に「(大臣として)コメントする立場にない」と述べるにとどめた。また、民進党は「総理のご意向」などと記された一連の文書8枚についての再調査を求めたが、文科省側は、「調査の結果、(文書の)存在が確認できなかった」と、従来の主張を繰り返した。

 前川氏は、文部科学省による組織的天下り斡旋(あっせん)問題を受けて今年1月、事務方トップとして引責辞任に追い込まれている。

 民進党や共産党は、前川氏の国会招致や証人喚問を引き続き求める方針。