文部科学省の前川喜平・前事務次官(62)は25日、都内で会見し、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐり表面化した、「総理のご意向」などの内部文書を「間違いなく真正なもの」と明言した。

 前川氏が、実名と顔をさらして「捨て身の爆弾発言」(野党関係者)に踏み切ったことで、野党は攻勢を強め、与党は防戦一方だ。安倍晋三首相の「お友達スキャンダル」の構図は、森友学園問題と重なる。今回は「総理のご意向」に、官僚が忖度(そんたく)した可能性が指摘され、文書の存在を否定し続ける政府与党に反発が強まっている。

 首相は25日、先進国首脳会議出席でイタリアに出発。帰国後の29日以降、国会で厳しい追及が待ち受ける。新たな「爆弾」が出る可能性もあり、都議選を前に、首相や自民党のダメージは避けられない。野党4党は前川氏の証人喚問を要求し、首相出席の国会審議も求める方針。与党内でも「要職にあった方の言葉は重い」(公明党の漆原良夫衆院議員)の声が出ている。