安倍内閣の支持率が、政権運営に支障を来す目安といわれる「危険水域」の3割を割り込んだ調査が14日、明らかになった。

 時事通信社がホームページで発表した世論調査(7~10日)によると、安倍内閣の支持率は29・9%で、前月比で15・2ポイント激減。不支持率は14・7ポイント増の48・6%になったという。3割を切ったのは、12年12月発足の第2次安倍政権で初めてとしている。

 各社の内閣支持率は今月、軒並み30%台に下落。首相が、憲法改正に関する自民党総裁の考えを発表した読売新聞でも、前回比13ポイント減の36%で、不支持率はついに5割を超えた。

 「共謀罪」法案の強行成立以降、首相への国民の目は厳しさを増している。首相の「お友達」が登場する加計学園問題や豊田真由子衆院議員(自民党に離党届)のパワハラ暴言、東京都議選では稲田朋美防衛相の大失言が表面化し、首相本人も聴衆に「こんな人たちに負けるわけにいかない」と発言、問題になった。

 15年秋の安保法制成立でも支持率は3割台に落ち込んだが、V字回復した。しかし、最近は、政策への批判に加え「首相を信頼できない」とする割合が急増している。自民党関係者も、「現状では信頼回復はなかなか難しい」と述べた。

 第1次安倍政権では、複数の調査で支持率が3割を切った数カ月後、首相は退陣に追い込まれた。加計問題での衆院予算委員会集中審議に首相が応じるのも、さらなる支持率低下に危機感があったとされる。集中審議は24日以降の予定。首相は来月の内閣改造で事態打開を目指すが、その前に重大な岐路に立たされている。