公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が24日、大阪市の関西将棋会館で指された棋聖戦1次予選2回戦で阪口悟五段(38)と対戦し、90手で破り、2連勝した。

 この日午前中には棋聖戦1次予選1回戦で西川慶二七段(55)を113手で破り、15歳初白星を挙げていた。昨年12月のデビュー戦からの通算成績を33勝2敗とした。

 19日に15歳になったばかり。誕生日後の初対局となった21日の第2回上州YAMADAチャレンジ杯準々決勝で三枚堂達也四段(24)に敗れ、公式戦2敗目(31勝)を喫した。プロ2度目の敗戦から中3日、藤井は西川戦では序盤から積極的に攻めてリードを保ち、投了に追い込んだ。

 15歳初勝利に「21日の対局に敗れてしまって、きょうは勝つことができてホッとしています」と笑顔を見せた。15歳の目標を聞かれ「昨年以上に強くなりたいと思っています」と話した。

 この日の1局目について「こちらが動いてしまって、苦しくしてしまったかな。最後は一手勝ちできてよかったです」と素直に喜んだ。2局目となった阪口との2度目の対決に「前回は途中かなり苦しくしてしまったので今回は内容重視でいきました」。この日の2局ではそれぞれ課題を持って臨んでいた。

 中学最後の夏休みはすでに始まっている。「夏休みは時間的にかなり余裕があるので、強くなるために有効に活用したい」と目標を掲げた。

 棋聖戦は羽生善治3冠が10期連続で保持しているタイトル。予選、決勝トーナメントとすべてトーナメント式。来夏に羽生善治棋聖(46)と五番勝負を戦う挑戦者を決めるトーナメントの初戦。藤井が勝ち続ければ羽生へ挑戦権を得ることも可能だ。