昨年9月、党で初の女性代表に就任してまだ10カ月だ。今は安倍政権が揺らぎ、野党第1党として攻め時。都議選直後の辞任なら新体制の構築は早かった。党内の空気と向き合わなかったツケが党にも及び、「センスがない」との嘆きも出る。蓮舫氏は「前に進むことが強さと思っていたが、自分の弱さと向き合うことも強さと判断した」と述べ、都議選や二重国籍問題が理由ではないと強調した。

 「逃げたイメージ」と指摘された蓮舫氏は「批判は真摯(しんし)に受け止める」と語ったが、25日に明言した次期衆院選での衆院鞍替えも、「1度立ち止まる」と、事実上撤回。「『ガラスの天井』には、道半ば。一議員になり汗をかきたい。私自身が再スタート」と語った。「保身」と冷ややかに見る向きもある。

 代表選では、「いばらの道かもしれないが登り続ける」と宣言したが、中途半端に終わった。発信力が期待されたが、党の支持率は低迷。二重国籍問題で迷走した説明も致命的で、代表としての実績は残せなかった。【中山知子】