アントニオ猪木氏(74)が28日、弾道ミサイル発射を継続して国際的に緊張が高まる北朝鮮問題に関して言及し「(自分は)世界のリーダーたちが話し合い出来るための道筋を持っている。政府が取り上げようとするかしないか。日本が中立的な立場に立つことを、北も待っているかもしれない」と持論を展開した。

 猪木氏はこの日、東京・荒川区の回向院で行われた、師匠カール・ゴッチさん(享年82)の納骨式に参列した。納骨式後「北朝鮮も、新たにこういう状況ですから。政治の世界には表と裏がある。人のパイプ、橋渡しを作っていくという、自分なりの役割があると思う。それと同時にプロレスというのを、世界の人に認知してもらう。プロレスラーから世界の平和の問題について興味を持ってもらうだけで、広がりが違う」と自ら切り出した。

 北朝鮮問題について、より深い見解を求められると「(日本には北朝鮮との)いろいろなパイプはあるけれど、向こうのトップレベルの人たちと会っている政治家もいないし、外務省もそういうチャンネルがない。向こうからのメッセージも、もらっている」と、北朝鮮側から何らかのメッセージが届いていることを明らかにした。

 そのメッセージが、今回のミサイル発射に関するものかと聞かれると「それはそれとして」とかわした上で「人的交流の窓口をもう1回広げないと。米国という国を信用していない。もう1歩、世界のリーダーたちが歩み寄って話が出来るように」と断言。自らが橋渡し役が出来ることを示唆した。

 その上で「有事ということに至らないために、何をすべきか…それは人の交流を深めていくこと」と強調した。【村上幸将】