「それは、AI(人工知能)だから」。

 東京都の小池百合子知事は10日の定例会見で、築地市場(中央区)の豊洲(江東区)移転問題に関し、両市場を共存させる基本方針を決めた際、財源や運営費などを検討した記録が残っていないとして、「密室性」を指摘された際、自身を人工知能に例える“珍回答”で、はぐらかした。

 小池氏は、外部の顧問や、市場のあり方本部、専門家会議などから「いろいろ考え方を聞いて来た」とした上で、「いくら金目がかかるかについては、関係局長が集まった会議で、各種の数字が出てきている。だから試算については、公表されているものがある」と、反論した。

 その上で、「最後の『決め』はどうかといえば、それは人工知能ですよ。政策決定者である私が、決めたということ」と、自身を人工知能に置き換えて、主張。「(経緯を)回想録に残すことはできると思うが、最後の決定については文書では残していない」と述べ、「政策判断のひとことだ」と強調した。

 議論の経過が残されていないことについては、小池氏が日ごろから必要性を主張する情報公開に、矛盾しているとの見方もある。