公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が22日、大阪市の関西将棋会館で指された朝日杯オープン戦1次予選トーナメントで大石直嗣六段(27)を166手で破り、公式戦通算37勝目(3敗)を挙げた。同日午後2時からの同杯予選3回戦で竹内雄悟四段(29)と対戦する。

 関西将棋会館では大盤解説会も行われ、多くの将棋ファンが参加した。大盤解説は山崎隆之八段(36)、藤井の姉弟子となる室田伊緒(いお)女流二段(28)が担当。両者とも各持ち時間40分を使い切り、1手1分未満の早指し戦に突入。一進一退の大熱戦に将棋ファンもワクワクした表情を浮かべた。

 終局後、大盤解説会には藤井が参加し、笑顔で感想を語った。山崎から勝負手について「ちょっとだけ自信ありましたか?」と質問されると「いえ、秒読みの最中でもありましたので、まったく分かりませんでした」とコメント。山崎が「なるほど、敵を作らないコメントですね」と突っ込むと、会場はドッと沸いた。

 朝日杯オープン戦は棋士と女流棋士、アマチュアの計173人がトーナメントを戦う。