公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が22日、大阪市の関西将棋会館で指された朝日杯オープン戦1次予選で大石直嗣六段(27)、竹内雄悟四段(29)を連破し、公式戦通算38勝目(3敗)を挙げた。対局後には大盤解説会に参加したファンの前で感想戦を行った。

 持ち時間各40分の早指し戦。午前の大石戦は相手の終盤の攻めをしのぎ、熱戦を制した。午後の3回戦では相手が玉を駒で囲む穴熊を攻略した。藤井は「苦しい将棋で、かなり負けに近づいた局面もあった。粘り強くいったのが奏功した」と振り返った。

 これで17年度の藤井の成績は28勝3敗。1局目の白星で17年度の勝率を9割台に戻し、2局目で9割3厘までアップさせた。対局数、勝ち数もランキング首位を快走中で現在“3冠”。勝率は、67年から破られていない中原誠16世名人の歴代最高勝率8割5分4厘(47勝8敗)を上回るペースだ。「ここまで3敗でくることができたのは出来過ぎ。勝率はあまり意識せず、全力を出すことに集中したい」と控えめに話した。

 対局後にはファンと交流した。「連勝が止まっても、これだけ多くの方に駆けつけていただき、ありがたいです」と感謝した。次戦は24日、棋王戦本戦の初戦でトップ棋士の豊島将之八段(27)と対戦する。豊島は名人戦順位戦の最上位A級に在籍。A級棋士と公式戦で戦うのは初めてとなる藤井は「いい将棋ができるように全力でいきたい」と力を込めた。【松浦隆司】