田中真紀子元外相(73)は22日、出馬論が浮上している衆院新潟5区補選(10月22日投開票)について、公の場で初めて語った。

 文化放送「斎藤一美ニュースワイド SAKIDORI!」に生出演後、日刊スポーツなどの取材に応じ、出馬を否定する一方で「分かりませんよ」などと語った。一問一答は、次の通り。

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--新潟5区補選には出馬の予定は

 真紀子氏 全然ありません。問い合わせばかりきていて、迷惑しています。

--ラジオ番組では「(出馬する)環境にない」という言い方をした

 真紀子氏 そうです。今の政治環境が、そうではありません。政治とは夢を現実にする、最大のツールと思っている。これほど素晴らしいものではないと思っている。私は、政治への関心でDNAができあがっていますが、だから引退するとか、しないとかそういうことではなくて、タイミング。いまの政界を見ていると、与野党とも、ろくなものではない。こんな時に行って、バッジ付けたところで何の価値があるのか。これは風ですよ、風。風向き。

--「出馬は全くない」という否定か

 真紀子氏 そうなんでしょうねえ。きっとね。分かりませんよ(笑い)

--衆院解散・総選挙になった場合は

 真紀子氏 今の政界は人がいなさすぎる。ひとりでやったところで、何かできるものでもない。じゃあ、風が吹いて、小池さんの新党みたいになったからといって、集まった人は当選するかもしれませんが、その方々の、1人1人の能力はどんなものなのか。命懸けで政治をするのか。それだけの経験や志があるのかといえば、人気がありそうなところに立候補してみようという人が多いのではないか。だから、民進党からもどんどん抜けて、違う方へなびく。そういう風潮は良くない。覚悟や、志を持った人がいっしょにいればいいと思う。

 私は「ひとりぼっち」といわれますが、そうではない。無所属、無派閥だったから、議員立法もできた。派閥にいたり、政党で(縛りが)キツいところにいると、率直な意見を言えなくなる。だから安保法制など、極端な法案があっても反対できない。あれじゃロボットではないですか。

 そんな思いをしてまで、私は議員をするつもりはないんです。同志もいます。自民党も民進党も議員も、電話はくださる。しっかり情勢をみることは大事です。一生(選挙には)出ないかもしれないし。分かりません、そういうことは。何が起きるか…。

--ラジオ番組では「女子新党」の話も出た

 真紀子氏 河野洋平さんに言われたんです。でも、2、3人(政治の)プロがいたとしても、中には前防衛大臣みたいなわけのわからない人とか、トヨなんとかさん、みたいな人も来るかもしれない。そんなものは、だめなんです。ひとりひとりが自立していないとだめ。覚悟もあって。財政的にもね。そうでないと安倍さんを倒せても、後が続かない。

 政治は、夢、期待を国民から寄せてもらえるようなことができるということが、納得できなかったら、そういう環境でないと難しいと思います。