民進党代表選(9月1日投開票)に出馬した枝野幸男氏(53)は23日、日刊スポーツなどのインタビューに応じ、代表選の位置づけを「党がどう生まれ変われるかだ」と、強い危機感を示した。インタビューの主な一問一答は次の通り。

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 -自分が代表になった場合、党をこう変えるというアピールポイントを教えてください

 枝野氏 時々、私が代表経験者と勘違いされている方もいるが、これまで官房長官や幹事長などリーダーを支える仕事は何度かやらせてもらったが、リーダーの役割を果たすということでの決意は、今回が初めて。リーダーのそばで見てきたからこそできることがあると思うし、支える立場とは生まれ変わった、枝野幸男を見てほしい。リーダーが変わったから急に党が良くなるような、そんな生やさしい考えではいけない。党全体がどう生まれ変わるかが問われている。民進党に期待したいけれど、今は期待できないと思っている方に、しっかりアピールをしたい

 -小池都知事とは93年初当選同期。小池氏、小池都政への評価は

 枝野氏 良い意味でしたたかな方で、非常に決断力もある。都知事の立候補も思い切った決断だった。政治家として大変すぐれた方だと思う。小池都政については、あくまで地方政治。数は少なくなったが、わが党の都議の皆さんや都議団が評価をする。埼玉県民の私の立場で、評価するものではないと思っています。

 -前原氏との仲は

 枝野氏 仲はいいですよ。最近は少ないけれど、当選1回生のころはお互いに独身で、よくカラオケに行きました。

 -何を歌うのか

 枝野氏 私は、「東海林太郎から欅坂46まで」と言っている(笑い)。アイドルだけ歌っているのではなくて、アイドルも歌える。演歌もJ-POPも歌えます。

 -枝野さんも阪神ファンですよね

 枝野氏 ふふふ。関東の選挙区なので、あまり派手に言うと…。本質ではないところで票を減らしたくないので…。AKBの推しメンを聞かれても答えないようにしています(笑い)

 -10・22トリプル補選への対応は

 枝野氏 青森、愛媛ではすでに現場で走ってもらっています。県連を挙げて活動をしてもらっていますが、相手(自民)も総力戦だと思う。代表選が終わればすぐにでも、プロジェクトチーム的な支援体制を立ち上げたい。そうすれば、今の安倍政治、森友&加計問題や日報問題に象徴される、「国民を分断している政治には、ちょっとブレーキをかけなけれなならない」という声をしっかり受け止めれば、十分戦えると思っています。

 -地方で、代表選は盛り上がりっていますか

 枝野氏 基本的に、約1年前にみんなで選んだ代表を支えられなかったことに対する、党員・サポーターの方の厳しい目はあるとおもう。だからこそ、今回はきちんと慎重に選ばないといけないし、党全体が体質改善しないといけない。「お祭り騒ぎ的」選挙としての盛り上がりとは別に、真剣に考えて決めていかないと、という思いを持っている方は多いと思う

 -蓮舫氏がこんなに早く辞めると思いましたか

 枝野氏 私は執行部ではありませんでしたが、国会議員の1人として、支えきれなかったことについては、蓮舫さん以上に、党員・サポーター、地方議員の皆さんに大変申し訳ない。

 -前原さんの評価は

 枝野氏 思い切りがいい。きちんとした理念を大事にする方です

 -前原氏に「ここは勝てる」というところは

 枝野氏 私は、リーダーを支える仕事を長くさせてもらった。それだけに、リーダーとしてはどうすればうまくいくか、逆にうまくいかないか、誰より分かっている。前原さんも、いろんな立場で地方を回っているが、私が幹事長として地方を回った2年は非常に大きい。地域で党を支えている現場の声は、誰より知っている。私が今回代表としてやらせていただきたいと決断した大きな理由です。

 -東日本大震災直後の官房長官の時は不眠不休で、「枝野寝ろ」といわれた。体力づくりは

 枝野氏 体力&肉体派ではない自覚はありますが、あえていえば、厳しい状況のときほど力が出るタイプ。代表選もそう。肉体的、精神的にしんどいほど、頑張ろうという気力は大きくなるタイプです

 -心の支えは何ですか

 枝野氏 こんなことをいうと怒られるかも知れませんが、自分は運がいいと信じている。国会議員になれたのも、日本新党で初めて候補者を公募するタイミングが、弁護士になって2年目にやってきた。細川さんの新党ブームがなければ、国会議員になれていない。若い時は薬害エイズなど、大事な仕事にも関われた。厳しくても、ここを頑張れば開けてくるという、根拠無き自信があります。

 -次期衆院選で、離党議員の選挙区に対抗馬を送るのか

 枝野氏 支持してくださる方に顔を向けて行動しようと、最大限説得することが、党のガバナンスで最大の前提。これが必ずしも十分ではなかったという反省はある。私も個人名で票を集めている自負はありますが、枝野はイヤでも、党に投票してくださる方もたくさんいる。党を背負わない方が、選挙が楽なのにと思いながら、党を支えている人がたくさんいる。正直者がばかをみないガバナンスを、きちんとしないといけない。

 -東京五輪・パラリンピックの準備に注文は

 枝野氏 暑さ、雷雨対策。ゲリラ豪雨や雷雨は危険で、どうするか想定しておかないと。やっておられると思うが、ものすごく気になっている。相当な準備をしないと大変だと思う。

 -最近よく聴く音楽は

 枝野氏 やっぱりAKB48、乃木坂46、欅坂46。今年に入り、私のiPodにダウンロードされているのはその3つと、miwa、宇多田ヒカル。桑田(圭佑)さんの朝ドラ主題歌の配信が、そろそろ始まっているはずですが、まだ落とせていません。

 -仮に代表でなくても、前原さんを支えるか

 枝野氏 もちろんです。ただでさえ、国会議員140人しかいない。さまざまな経験はさせてもらっているので、どんな役割でも、言われたらやらなければならないと思っている。